2017年12月1日金曜日

PC時代にそれでもサミュエル・ウルマンか?

サミュエル・ウルマンの詩は日本でも一世を風靡したものだ − もう随分と昔になったが。


青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。曰く「驚異えの愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。

人は信念と共に若く  
疑惑と共に老ゆる 
人は自信と共に若く 
恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く 
失望と共に老い朽ちる

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り人の若さは失われない。これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至ればこの時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。
(出所)http://home.h03.itscom.net/abe0005/ikoi/seishunn/seishunn.htm

ウルマンは1840年に生まれ1924年に死んでいる。84歳だった。

確かに、『年を重ねただけで人は老いない』のかもしれない。が、年を重ねるだけで必然的に老いる側面もある。そう言わざるを得ない時代が来たと感じる。

一世を風靡したウルマンの「青春」には一つ不思議な点がある。老眼について言及していない。視力の衰えに触れていない。アレルギーの発症について言及していない。病気についてとりあげていない。仏教でも四苦と言って生・老・病・死をあげているのに。よほど健康で病気とは無縁で肉体的に強靭だった人なのかと思ったりする。なら幸運な人である。

「青春」はウルマンが70代になって書いた作品だという。ノートPCもなく、書くといえば紙の上に大きな字を書けば、あとは出版社が活字にしてくれる時代だったから、それでよかったろう。

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長寿社会で人生80年の時代が来ても50歳を過ぎれば視力が衰える。60代になれば細かな字が読めなくなる。最近は、データ分析で実習授業を行なっている時、学生が使っているノートPCの画面が読めなくなってきた。彼らは12インチの画面にサイズの小さなフォントを使って、それを読んでいる。ウルマンの時代にはこんな苦悶はなかったはずだ。苦悶は老齢を意識させる。

アニメ界の巨人・宮崎駿も現役引退宣言をしたとき『もう目が見えないんですよ』と身体的能力の衰えを理由に挙げていた。信念や自信だけから『何事かかなわざらんや』というのは無茶であろう。

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第二次大戦時に連合軍の総司令官だったダグラス・マッカーサーは1880年の生まれだから1945年当時は65歳になっていた。

今なら年金支給開始年齢になってから占領地行政の責任者になったわけだ。激務であったろうと推察する。

それより、60歳を過ぎて、赴任していたフィリピンから追い落とされ、豪州まで退却して日本への反攻作戦を指揮したというのだから、肉体的にも実にタフであったと感嘆する思いだ。少なくとも食べるものに注文はつけない人だったのだろう。とすれば、気持ちの若い人であったに違いない。

いまの小生なら絶対無理だネ。朝方早く目が覚めてしまうわりには起きだすのは8時を過ぎてからだ。朝は美味しい珈琲と消化のいいオートミールのミルク粥。ザウワークラウトとソーセージが欲しい時もある。夜は糖質制限中。肉料理を所望だ。仕事は原則的に午前中。午後からは仕事から離れて、今のうちに読んでおきたい本を開いたり、やっておきたいデータ解析をやる。データ解析をやるときは老眼鏡では画面が見づらいので、最近流行のハヅキルーペ(メガネ型ルーペ)をつかう。午後は午睡をしたい。夜は必ずミストシャワーで疲れをとる ー 若い自分はこの程度の毎日で疲れるはずもなかったが。

小生の場合、人生80年というより、やはり60歳定年が適切だと痛感する。人間ドックなどは受けず、10年余りを過ごす。そして80歳にはならない頃を目安に、ボロボロになってしまう前に世を去る。

これがイイね。こんなライフサイクルが年金財政的にも迷惑をかけず、精神能力的にも身体能力的にもちょうど良いのではないか。

まして90歳、100歳となると、いくらウルマンでも『人は自信とともに若く』とは言わないのではないかネエ。前回投稿の『徒然草』の下りの英訳を読んでもらう方がいいのではないか。そう思ったりする。


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