2017年12月29日金曜日

一言メモ: 劇場型世の中のまま大晦日になったか・・・

申酉騒ぐの格言が株式市場にはあるが、今年はその格言通り、実に騒がしい世の中だった。そんな今年の世の中で最後を飾る大騒動が角界を騒がせている事件である。とうとう全面解決は年明け後。本当に解決できるのだろうかと。そう思わせる不透明感を残したまま、とうとう明後日が大晦日になった。

年の瀬である。

年の瀬や 力士雪駄の 音とおく

今日もカミさんとワイドショーを見ながら話したものだ。

小生: 第一幕、第二幕があったね。貴ノ岩に対する日馬富士の暴行傷害。次が貴乃花親方の処分問題。被害者がなぜ処分されるのかっていう人も多いけどサ、一言で言うならアレだね、『八角理事長と貴乃花親方の喧嘩』だよ。
カミさん: そうねえ、貴乃花親方は役員として何もしてないのは事実だしね。上が怒るのは当たり前ね。怒る気持ち私もよくわかるよ。自分ならああはしないっていう気持ち。警察に届けた時に、一言でいいから『こうしましたから』って相撲協会に電話すればよかったのに。 
小生: 暴行があったと分かって、まず警察に被害届を出して、協会には電話で一報する。それから巡業部長の職権で現場にいた白鵬や鶴竜たちを呼び出して、事情を聞いていたら責任者として満点だったサ。もしその時に白鵬たちが嘘をついていたら、今頃はそろって出場停止になっていたかもしれないよ。日馬富士だけが一人引退するという形にもならなかったかもしれない。事件が「実質、集団リンチ」だと感じたんだったら、理事の辞表を理事長に出してサ、まあ受理はされなかっただろうけど、『これからは親方として行動します、事件を解明します』って、そう言ってサ、徹底的にやる。これは清々しいよ。もしそうしていれば、貴乃花親方をいま処分するなんて、絶対にできない。その方が良かったのじゃないかねえ。
カミさん: なんでそうしなかったのかなあ? 
小生: そりゃあ八角理事長が嫌いだからさ。全然信用してないんじゃない。馬が合わないってやつサ。『あいつの部下にはならない』、そんな気持ちは僕にもわかるんだよね。でもサ、相撲協会を運営する<責任>を負った二人の役員どうしが喧嘩しちゃってる。そんな図式だよ。東芝もそうだったしね、会長と社長がいがみ合ったり、喧嘩したりサ。シャープもそう。内紛を起こすと何かトラブルが起こるものさ。珍しくもないよ。八角理事長が何かいっても貴乃花親方は言うことを聞かない。理事長の指導力ゼロだよね。貴乃花親方もこちらはこちらで役員の責任をまったく自覚していない。果たそうともしない。前頭とか三役とか、その辺出身の親方衆が人数的には多いんだけどさ、前の北の湖理事長が亡くなった時に、これから誰がまとめられるんだろうって、すごく不安がっていたそうだよ。実際、心配のとおりになってきたわけよ・・・。情けないねえ。大黒柱なんだからさ、よく相談して、協力して、相撲を発展させていかなきゃならんのに。何だろうね。大黒柱の二人がサ、話しもロクスッポしないで、喧嘩して。もういい加減にしてくれやってサ、そんな気持ちじゃない? 周りの親方衆は。 
カミさん: そうだろうねえ。 
小生: 第二幕の決着は、ズバリ、<喧嘩両成敗>。これがベストだよ。そのあとは、まったく色がついていない人達が中心になってフレッシュな体制で運営すればいい。長期的根本的に一挙解決なんて無理。意固地になってる八角さんと貴乃花さんには、誰かもっと上の人が「もういい! 二人とも出て行きなさい!!」とね、この一喝で一件落着にすればいいさ。 中途半端にファンの心情とか、これまでの貢献とか、まさか世論なんて言う人はいないだろうけどサ、そんなことを言っていると、禍根を残すネ。
カミさん: だれが言えるの、そんなセリフ? 
小生: そうだなあ・・・まあ・・文化庁、いや違う違う、スポーツ庁長官あたり? それとも評議員会の議長、池坊さんかね(笑)。 
カミさん: 言えないヨ
今回の事件は、あれもある、これもあると話を広げるような大問題ではない。

相撲界とは、ソモソモからして、ああいう世界なのである。それは長期的、計画的にだんだん改善していけばよい。流石に21世紀の日本社会からは余りにずれているところもあるから。どうしてもああいう体質が嫌いな人は本場所にも巡業にも行かないはずだ。TV中継も翌朝の新聞記事も見ないはずだ。かたや熱心なファンもいる。だからこそ相撲は江戸時代からずっと続いてきた。そんなファンは相撲のことを詳しく知っている。「人情相撲」と「八百長」の微妙な違いも感覚的に鋭敏に分かるというものだ。「シバキ」や「シゴキ」と「暴行」との区別だって分かる。ファンをバカにしちゃあいけない。相撲協会も自分たちを支えているファンをバカにするはずはないのである。いくら相撲に無関心であっても相撲が好きだというファン気質を否定できる立場にはいないでしょう。世間の常識って奴を「伝統芸能?」とも言える世界に杓子定規に当てはめたりしたらどうなりますか? 相撲どころか、歌舞伎だって能だって男女雇用均等法に違反するっていうものでござんしょう。仏教の主要宗派の座主はなぜ男性ばかりなんでござんしょう? おかしいじゃありませんか。 そういえば、キリスト教のローマ法王だって男性ばかりでござんしょう。 民主主義の発祥の地、イギリスだってカンタベリー大主教は男性ばかりだ(そのはず)。すべてこれ「伝統の重み」、そうとしか言えませんヤネ。「こうなっている、それが何か?」、それで終わりってもんです。いま生きている人たちの「世間の常識」はオールマイティではないのだ。もっと重みのある「伝統」って奴がある。

それでも、あまりに普通の人たちを絶句させるような慣習は ― 本当に絶句しているのか、ほんとはある程度理解しているのか不明だが ― 、「非常識」だと言われてしまうわけで、そういわれてしまうと、マア仕方がない、居場所がなくなる。それでは困るでしょう、と。問題の根幹はここにある。相撲界とは何しろチョンマゲを結う世界なのだ・・・『鎌倉物語』の魔界ほどではないが、娑婆と一緒くたにすると、それでも相撲の魅力は守られますか?これが真の意味での大問題だと思うのだが、いかに。

以上、長々と述べ来ったが、しかしこのことと、飲み屋で発生した暴行傷害事件の審判。役員の責務を自覚せず理事長に喧嘩をふっかける理事の処分。その理事をどうすることもできない理事長の進退。この三つは独立して処理できる、というより国技を守る公益法人として処理すべき問題だ。

小生の個人的感想:
Get out,  you, and you!  You, get out!! Get out here!!! gehhht ou~~t!!!!
こんなところか。

相撲という「国技」を今後も一層国際化していくことの是非はまた別の機会に。

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