2017年3月23日木曜日

感想: 制御不能の「水掛け論」もあるのだねえ・・・

本日は、WBC決勝、大相撲大阪場所、それから降ってわいたような森友騒動にかかわる籠池理事長の国会証人喚問の三つが重なり、どれもTV中継で視聴率が見込めるとあってマスコミ「現場」は「嬉しい悲鳴」をあげているという噂だ。

WBCと大相撲は(職業スポーツではあるが)純粋エンターテインメントに属すると言えるが、籠池理事長の証人喚問はエンターテインメント性とリアルな事件性と、それぞれどの位の割合の混合物であるのだろう。そんな風にも思われる特別番組ではあった。

ただ、密室で二人になった時をねらって渡された100万円の現金と、口外しないようにとの電話があとで夫人からあった、という証言。録音やら手跡やら何も残ってないなら、この話は典型的な「水掛け論」ではあるねえ。
「あなたくれたじゃないですか」、「何を言っているんですか、そんなことなかったでしょ」、「いいや、私は鮮明に記憶している」、「嘘を言わないでくださいヨ」。

さてさて、昭恵夫人まで証人喚問して第二幕を提供してくれるかどうか。やったって、まあ、上のやりとりがそのまま再現されるだけではあろうが。WBCも終わった。大阪場所も終わる。高校野球の春の選抜は今一つ盛り上がらない。TV局はこの話題をできるだけ引っ張りたいところだろう。

それに国会がどの程度まで答えるかだ。

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小生の上の愚息は熱烈な相撲ファンである。

NHKは証人喚問を終わりまで、Eテレは高校野球、その余波で大相撲が5時からの中継開始になってしまったと、嘆いていた。

国会・予算委員会という劇場で上演されているドタバタ劇よりは、ここ最近の大相撲の方がもっと緊迫感があり、かつ幅広い視聴者から希望されている番組であったのではなかろうか。少なくとも、小生は甚だバカバカしく、とても最後まで観る気にはならない内容であった。

もしも森友事件の登場人物に首相夫人の名前がなければ、大相撲を押しのけて中継されるようなイベントにはならなかったはずだ。

今回の騒動の(ある意味で)主役は「昭恵夫人」であると見る。

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ずっと以前の投稿から一貫して書いてきたことだが、安倍政権は(どことなく世間離れした印象のある)首相ご本人はともかく、取り巻きたちの偏向した思想・信条、低レベルな失言などが相次ぐことで、首相のイメージが毀損され、最終的な崩壊に(比較的短期間で)立ち至るであろう、と。そもそもの最初からそう予測していた。

それが案に相違して長期政権になっているのだが、ここに来て稲田朋美防衛大臣、それから何とご自身の細君までが、右翼がらみの失態を演じるとは。加えて、小池百合子現都知事もちょっと頭痛の種になっているでありましょう。どうやら首相ご本人は、「女性活躍推進」の旗手をつとめているにもかかわらず、よほど女性が鬼門である御仁のようである。

ま、最近のメディア好みのドタバタ劇が安倍現政権にとってどの程度までリアルな損害になってくるのか。まだ分かりませんが。

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まあ、これらすべて、トランプ米新政権がいまだ機能不全であるためだ。

何もリアルな衝撃となって、日本に投げかけられるものが出てきていない。

中国は党大会の年であり「内向き姿勢」。韓国もまた政治的に機能不全状態。ヨーロッパもまた選挙の年であり「内向き姿勢」。英国はEU離脱でそれどころではない。

加えて、世界経済は2015年~16年に進んだ石油等の国際商品価格暴落から回復し、明るい見通し。心配される状況ではない。

国際政治経済をみると、日本はいま何をしてもよい、というか宇宙遊泳に似た状態なのである。

このチャンスを生かしてロシア外交を大いに進めればいいのにと思うのだが、所詮、択捉や国後は日本国民の関心外と思われる。ロシアは共同経済活動にロシアの法律を適用すると主張しているが、このことを大きく報道したマスメディアは皆無である。瞬時のうちに話題から消え去った。

北海道で暮らしている人間の目からみると、いま日本は「鬼のいぬ間の 昼寝かな」、というより「嵐こぬ間の 鬼ごっこ」を楽しんでいるように見える、天下泰平の世の中でござります。

まこと目出度きことでござる。「小人閑居して不善を為す」の一例にならなければいいが。


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