2017年2月22日水曜日

「人工知能」知財の意外な事実

間違った思い込みを修正してくれるデータは最も有難いものだ。文字通り『知識は力なり』。この格言は担当している統計分析の授業でも何度口にしたかわからない。

意外な事実:

Top Holders of Artificial Intelligence Patents

フェースブックの投稿をそのまま引用したのだが、それにしても"FNDtek"という会社はどの位の実力を持っているのか・・・ホームページを見ると、どうやらレンタルサーバー+コンサルタントサービス+ソフトウェア開発でやっているようにみえるが、料金表もそれほど高額ではなく、ちょっと得体がしれない。業界事情には精通していないので、ひょっとすると知られている会社かもしれないし、そうでないかもしれない。

それにしても、「人工知能」とくれば戦略商品"Watson"を有しているIBMの一人勝ち、もしくはGoogleかFacebook辺りが上位を占めると思い込んでいたが、何とトップが日本の富士通とはねえ・・・そして、NECが三位ですか。

確かにNECは大型集客施設の群衆画像解析システムが海外で評価されているとか、最近はこの分野で聞くときもあるが、富士通がこれほどAI分野で知財を保有していたとは知らなんだ。これから何を売るのだろうと思っていたが、結構リソースはあるらしい。20代の頃からずっとFACOMを使ってきたユーザーとしては、というより小生の父が初めて「電子計算機研修」を受けた機種がFACOMだったので、富士通の名をこうしたところで見るのはやはり嬉しい。

GoogleもFBも見当たらんねえ…Microsoftは"Cortana"のことか…、いやいやもっと巨大なスケールでやっているらしい。日本でもMS-Japanが色々と活動している報道はある。
人工知能をFX取引のカスタマーサービスに 日本MSなど
「カード不正利用」の検知精度、深層学習で劇的向上

ただ、どうなのだろう。ビジネス現場ではとにかく「できる人」が足らないらしい。
(前略)
文部科学省の科学技術白書(2016年版)によると、統計学や機械学習などのデータ分析の訓練を受けた大学卒業生の数は、1年間に米国が2万4730人(世界第1位)なのに対し、日本は3400人(同11位)で大きく水をあけられている。 
 日本の7倍の卒業生を誇る米国だが、米コンサルタント会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは、18年までに14万~19万人が不足すると試算している。

(出所)日本経済新聞、2017年2月17日

人工知能、データサイエンス分野の人材面におけるトップ3はアメリカ・中国・インドである。時代の潮流に沿った研究に従事している人間が多いということなのだろう。その分、競争は激しく、学界の進歩も速いが、人を驚かせるような抜きんでた結果を得るのは至難のはずだ。

人工知能を今さら研究してもノーベル賞にはつながらないかもしれないが、それは1903年にレシプロ・エンジンを搭載した飛行機を最初に飛ばした米人・ライト兄弟、自動車大衆化の時代を切り開いたヘンリー・フォード、最初の合成繊維ナイロンを開発したカロザース、レーダーの基礎技術となった「八木アンテナ」を発明した八木秀次・宇田新太郎、どの人物もノーベル賞を受賞しなかったことと同じ意味合いに思われる。

ノーベル賞にはつながらず学者最高の名誉とは無縁かもしれないが、豊かな社会を実現するために欠かせない研究もあるというものだ。

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