2015年10月4日日曜日

人手不足 ― いよいよ日本経済も進歩の時代を迎えたか

OECDのTweetが届いた。
Sorry, robots - growth is greatest in jobs that require strong skills



昨日は、ビジネススクールの卒年次生が取り組むビジネスプランニングの一環でグループワークがあったので、モニターしてきた。

以前はWEBビジネスが流行り、この数年はシルバービジネスが多かったものだが、昨日聞いた範囲では人材トレーニング、それもコミュニケーション能力やリーダーシップに重点をおいた人材研修サービスの企画に関心が集まっているようだ。

社会的スキルが今後のビジネスマンには求められる。そういう仕事が増えるということだ。つまりロボットでは難しい仕事をヒトがする。そういう潮流がある。

専門的業務でもルーティンワークは既に人工知能やロボットによって代替されつつあるのが現実である。OECDのツイートもそれを裏書きするような報告だった。

機械で代替できる仕事なら、ヒトを充てる必要はない。現代社会において、相対的に高価な生産要素とは、ヒトである。育成コストがかかる。今後、高価な生産要素であるヒトを節約するための技術進歩が大いに進むだろう。仕事の数は減るかもしれないが、これは実に合理的な企業努力である。

☓ ☓ ☓

旧聞に属するが、日本国内の労働市場でも有効求人倍率が歴史的な高水準に高止まりしそうな状況になっている。
厚生労働省が28日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.21倍と、1992年2月(1.22倍)以来、23年5カ月ぶりの高い水準だった。改善は2カ月ぶり。QUICKがまとめた民間予測の中央値(1.19倍)を上回った。医療や宿泊・飲食業などを中心に求人数の増加傾向が続いている。厚労省は「求人数が高止まりし、求職者数が減少していく状況は続きそうだ」としている。
(出所)日本経済新聞、2015年8月28日

労働市場の需要超過は、実質賃金の高止まりとして帰結する。その結果として、今後の日本社会では労働節約的な技術進歩が加速される。

ロボット産業の拡大と低コスト化、価格低下が進み、それが結果として社会をより豊かにしていくだろう。

古いタイプの仕事を探している人はますます見つからなくなるだろう。仕事は、その社会の、その時代に合ったものを探すしかない。政府は、時代に逆行するのでなく、多くの人が時代に追いつけるように支援をするのでなければ、うまく行かない。

経済のサービス化が進みながら、サービス業に従事する雇用者の賃金が非正規労働者への代替によって、あるいは一部の分野では政策的に、低めに抑えられてきた。それが長いデフレーションの背景にもなってきたのだな。

人件費の圧力を緩和する方法が企業に与えられてきたわけであり、それが生産現場、販売現場において最先端技術を活用した効率化がいま一つ進まない原因にもなっていた ― ビッグデータの活用に国内企業がいま一つ疑がわしい眼差しを向けているのも一例だ。そんな惰性が、賃金上昇によって一掃されることが、進歩のためには望ましい。

どうやら、日本経済の新たな「転型期」、というか変化の局面にさしかかっている。





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