2014年12月24日水曜日

政治の「不正経理」という前近代性

「不正経理という前近代性」…あまりに大上段に標題をつけると、書かなければならないことが増えすぎる。実は、そんな風に考えてはいない。単なる覚え書きである。

政治資金については以前にも投稿したが、そこでは以下のように記してある。
いずれにせ不正経理はまずい。すべて過失はまずい。
不注意によって何らかの損失は生じる。過失をどの程度罰するかという問題は、その過失によって生じた損害を見てもよい。そしてその損失とは、目標を達成する上で生じた損失を指すと考えるのが合理的だ。
大体、政治資金の決算については政府に「政治資金適正化委員会」が設けられている。「政治資金監査人」は登録制になっている。監査が期待どおり機能していないのではないか。
サラリーマンの収入はガラス張りだが、個人事業、専門的職業に従事する人は誰でも税理士と相談しながら経理ミスを防止しているはずだ。もちろん監査済みの決算に不正が見つかったからといって、ミスは監査人の責任ですとトップは責任を回避することはできない。しかし、経理ミスを見逃す監査人は、能力を疑われ、業務を継続できなくなる。
上の記述に何か付け加えることがあるか。

こんな報道が出てきている。

安倍内閣は首班指名のあと全閣僚を再任する予定であったと伝えられていた。ところが、江渡防衛相の資金管理団体が江渡氏自身に350万円を寄付したと政治資金収支報告書に記載されていた。「これは政治資金規制法違反にあたる」といわれ、民主党など野党から攻撃されそうなので、再任を辞退した、と。そう報道されている。

政治資金の収支は、制度上、「政治資金監査人」の監査を受けなければならない。

決算報告を作成したところ—というより、すべて決算は法に沿って適正に行わなければならないのが民主主義と公平な課税を基礎とする近代社会なのだがー政治家本人に法律違反の疑いが波及する。これはそもそも「監査」を行うべき者が適正に業務を遂行しなかったことになる。監査人の怠業があったか、監査人に対する政治家の圧力があったか、監査業務内容の定義に不十分な箇所がある。そのいずれかである。

監査人は総務省に届け出なければならない登録制である—総務省:登録一覧。無資格の者が好き勝手に政治資金収支の公正を証明することは出来ない。その監査業務が、最近の事例を観察すれば、正常に機能していない。監査に問題があることは明らかだ。
なぜ政治資金収支で「監査」が正常に機能しない傾向があるのか?
「法の前の平等」と「議員定数配分」も確かに重要な問題ではあろうが、「経理の公正」は、近代化の前提であり、定数是正よりも早期に解決するべき問題だと思われる。こちらのほうが先に解決するべき基本的な問題だ。そう思うのだ。

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