2014年12月14日日曜日

夢想-個人的な理想社会

普通なら赤穂義士討ち入りの日であるが、今冬は投票日ということに相成った。

北海道は昨晩から今朝にかけて猛吹雪との予報が出ていた。夜中、猛烈な風の音が聞こえてきて、起きたらどんな状況になっているのか不安になり、投票どころではないわと思ってもいたのだが、さて朝が来ると晴れている。雪はほとんど積もっていない。『いったい、どないなってるのや』と、呆気にとられた。吹雪や豪雨は分厚い雲の下にどこの町が来るかで決まるので、多分に運・不運が左右するものなのだ。

今年を象徴する漢字は「税」という字に決まった。

税かあ・・・という心持だ。小生、個人的には社会保障の充実にカネがいるなら増税をしても、それはそれで筋が通っていると思う。また、社会保障よりは仕事の数を増やすべきでしょ、と。そんな考えで減税+財政支出削減を行うなら、これまた本筋であると。両方とも理に適っている。そう思うのだな。ま、好みからいえば「減税+財政支出削減」を進めて軽い政府にするのが、ビジネスや起業・イノベーションには優しいので好きである。

☓ ☓ ☓

軽い政府といえば、小生にも理想社会のイメージはある。

税でいえば、すべて国民は市町村に確定申告をする。源泉徴収などという制度は廃止する。市町村は市民を相手に直接的に徴税事務を進める。

市町村は集めた税から必要な経費を差し引いた残余を都道府県に納付する。都道府県にも警察業務など広域的に提供するほうが効率的なサービスがある。やはり経費がいる。それを差し引いた残余を中央政府に納付する。中央政府には長期的な財政均衡を義務づける。

中央政府は都道府県から国税を受け取るのみであり、国民に対する徴税権はもたない。だから税務署はすべて市町村に移管する。

こと、税については、小生はこんな夢を持っている。何も無茶な話でもないと思う。江戸・旧幕時代には、江戸の公儀は地方の藩に対して徴税権どころか、行政権も司法権もなく、地方支分部局は藩領地内には置けなかったのだ。中央政府たる幕府が有していた全国的権利は、外交権と正貨発行権、地方藩主に対する官職任免権、そして武士の憲法たる武家諸法度の公布権くらいであろう。封建制度と言ってしまえばその通りだが、いわば究極の地方分権制度と言える。分権だから生活水準横並びの保証などはなかった — というか、今でも横並びなど約束されていない。不平等だとひがむ理由もなく、独立自尊、甘んじて己が自然の境遇に安住することができていた(と思う)。

これに比べれば、小生の夢は穏やかなものだ。国の徴税権は対都道府県に限定し、都道府県の徴税権は対市町村に限定する。国は自治体の剰余の何割を収納させるか、その負荷率を決めるだけである。それほど過激な地方分権でもないと思う。穏やかなものである。そう思うのだがなあ・・・。

個別の税目は市町村が決める。納税義務は個人を原則として、法人には課さない。というより、法人所得はすべて個人所得に帰属させる。

いいと思うなあ・・・軍事力拡大などはまず無理だろう。国家権力の暴走は原理的に起こらなくなる。地方交付税や補助金など中央権力の源も雲散霧消する。国民の精神衛生が向上するのは確実ではないだろうか。

小生の夢想の最大の問題は、同じ所得、同じ資産であっても、暮らしている市町村によって課税額が違う。これは法の前の平等に反する。そんな違憲訴訟が続発するかもしれないことだ。

それを言うなら、今だって住民税ーというか、諸々の公租公課ーの高い町、安い町がある。とはいえ、もちろん国の仕組みについて「これで良い」と憲法で規定しておくのは当然だ。




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