2014年10月9日木曜日

報道と流言飛語の違いを疑う

前・産経新聞ソウル支局長が韓国側の検察に起訴されたという報道だ。

日本側のマスメディアは各社とも批判的な意見のようである―マア、当然だろう。

今後、いろいろなリアクションが出てくることは間違いない。ここで、韓国側の現政権がいかなる戦略的意図をもって今回の摘発・起訴までの道筋を描いたのか。そんなことをここで論じるつもりはないし、ほとんど意味のない事だ。

ただ思うのは、これまでにも何度か投稿したことだが、マスメディアが時に引き起こすネガティブ・インフォメーション・バブル ― こうでも言いようのない現象についてである。

ネガティブ・インフォメーション・バブル……流言飛語といってもよい。甚だしい例は、関東大震災時に発生した悲劇である。誰でもWikipediaで概略を知ることができる。典型的なネガティブ・インフォメーション・バブルである。
震災発生後、混乱に乗じた一部朝鮮人による凶悪犯罪、暴動などが発生したが、こうした事件情報は混乱期にあって流言、デマなども生み出し、過度に警戒した民衆によって朝鮮人が殺害されるなど、朝鮮人側にも大きな被害をもたらした。最終的に日本政府は朝鮮人犯罪を一切報道しない報道規制をおこなうまでになった。震災発生後のメディア情報の中には、「内朝鮮人が暴徒化した」「井戸に毒を入れ、また放火して回っている」というものもあったが虚実は判然としない。
(出所)Wikipedia「関東大震災」

ちなみに真偽に関する信頼性についていえば、WikipediaはBBCよりも上位にあるという調査結果がある。調査は英国で行われた。マスメディアの情報はしばしば流言飛語であるというのは、国によらず多くの人々が感じている。そのことを示す証拠になるのではないか。

今回、韓国の検察当局が産経記事について問題とした核心は、根拠や裏づけを調べもしないで、バケツリレーよろしく、<噂>を左から右に伝えると言う、その姿勢にあると。公式には、こんな理由を掲げている。

もちろん産経の支局長は報道するべき価値があると思った、公益にかなうと思ったと、そんな風に話しているという。しかし、単なる<噂>をそのまま伝える行為は、通常、<流言飛語>に加担すると言われても仕方のない行為である。

もともと韓国政府は産経新聞社に好意をもっていなかったことは推測される。政治的な意図が隠されているようにも思う。ま、ある意味、色々な邪念が背後にある。そんな風にも思われる。

とはいえ、マスメディアの唱える「報道の自由」は、調べもしないで勝手な噂を(時には尾ひれをつけて)勝手に流す。そんな権利とは本質的に異なるものである。小生は、そう思うことが非常に多いのだな。

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