2014年3月5日水曜日

結束を試されるのは日常茶飯事だろう

今朝の日経新聞朝刊は、タイトルを見ていくだけでも、現実の世界を要約している。

  • ロシア、欧米の結束試す ― プーチン大統領、旧ソ連圏強い影響力
  • オバマ大統領、シリアの失敗響く
  • メルケル首相、深い経済関係考慮
「ロシア、欧米の結束試す」に対しては「中国、日米韓の結束を試し続ける」というフレーズを連想する。「オバマ大統領、シリアの失敗響く」には「安倍首相、年末の靖国参拝がなお足かせに」と続けたいところだ。「メルケル首相、深い経済関係考慮」という姿勢は、「安倍政権、ロシアとの領土交渉を考慮」に通じるものがある。


出だしは、インド、東南アジア、オーストラリア、フィリピン、日本、アメリカと、海に沿った共同利益線の形成にむけて行動していた感があったが、ここにきてどうも「笛吹けど踊らず」というか、「結局は、自国からみた国益追求だけなんだよね」と、どうもこちら側の本音を見透かされるようになってきたのが「安倍外交」の現状かもしれない。


小生は駅伝を観るのが好きだ-駅伝にエネルギーを投入していることが日本の長距離陸上のガラパゴス化を招いているとは言われているようだが。相手のスパートにいつでも応じられる、緩急自在というか、揺さぶりに強く、スタジアムに入ってからのトラック勝負では一瞬の切れ味を見せる、勝負に徹したそんな目まぐるしいランニング・スタイルは確かに見栄えがする。本当の強さとはこういうものかと考える。しかし、実は育てるべき選手はそういうものではないのだろう。一貫したぶれない方針に基づく、体系的トレーニングの積み重ねで培われた本当の走力は、レース戦略などという次元を超えてはたらくものなのだろう。

戦術によって戦略的劣勢を挽回することはできない。
戦略によって大戦略の劣勢を挽回することはできない。

日本という国の魅力は、究極的には日本人が自分の人生にどのくらい満足するかによる。その合計で決まるのだと考えるしかあるまい。日本人だけではなく、近隣諸国の国民に対してもプラスの機会を提供し、プラスの価値を伝えられれば、それだけ多くの人が日本に魅力を感じるだろう。友邦国と敵対国を区別し、結託と対立のゲームに勝ち抜くことは確かに無意味ではないが、『モノで栄えて、心で滅ぶ』などと言われれば、この50年間、日本人はただ真面目に忙しく働いただけであり、実は何も進歩していなかったことになる。

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