2013年12月21日土曜日

世界景気同時拡大の兆候

すでに報道でも何度かとりあげられているが、来年の世界経済は先進国、新興国ともに同時拡大の軌跡をたどりそうな気配である。

OECDでは次のように見通しを出している。
09/12/2013 - Composite leading indicators (CLIs), designed to anticipate turning points in economic activity relative to trend, show signs of an improving economic outlook in most major economies.
The CLIs point to economic growth above trend in Japan,and to growth firming in the United Kingdom. The CLI for Canada indicates a positive change in momentum. In the United States, the CLI points to growth around trend.
In the Euro Area as a whole, in France and in Italy, the CLIs continue to indicate a positive change in momentum. In Germany, the CLI points to growth firming.
In the emerging economies, the CLIs point to growth around trend in Brazil and to a tentative positive change in momentumin China,Russia and India.
Growth around trend in the OECD area

米国FRBの量的緩和政策転換の時期が不透明で、非伝統的政策をとる場合の出口戦略の難しさが確かにありはする。しかし、量的緩和縮小は金利や株価にはマイナス、と同時に実体経済がそれほど良いことの確証とも受けとられうる。市場の反応は、プラス、マイナスが相殺されて中立的なものになると予想する。

だとすれば、来年の世界経済は2012年冬以降の拡大基調を鮮明にするものになりそうだ。それは来春の消費税率引上げ前後で日本経済がくぐるであろう不規則な凸凹を乗り越える追い風になろう。もしそれほどのダメージもなく消費増税を実施できれば、今度の第二次安倍内閣は「ついている」。経済政策という面に限れば「運も実力のうち」と言えそうだ。前回(1997年)の消費増税は、その年の夏に起きたアジア経済危機、秋の北海道・拓銀破綻から進行した金融パニックとシンクロしてしまい、日本経済を奈落の底に突き落とした主犯にされてしまった―消費増税をしておらずとも97年から98年の日本経済は同じ軌跡をたどったであろうと容易に思考実験できるのだが、一度焼き付けられた失敗のイメージは古傷となってうずくものだ。当時の橋本首相と今の安倍首相がおかれている巡り合わせは正に対照的である。やはり「天運」というものはあるのか…。

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