2013年8月3日土曜日

世界景気は既に底入れしている-OECD Leading Indicator

新興国景気が沈む一方で、日米は回復し、ヨーロッパは周回遅れで回復への兆しを見せ始めた。そんな大づかみの景気観測が取りざたされるようになっている。

久しぶりにOECDのComposite Leading Indicatorを確認した。7月公表分が直近である。


OECDエリア全体では景気回復の兆しと言えるか言えないかの動きである。ただ、アメリカの拡大基調は明らかであり、産油国に近いエジプトの政情不安はあるものの、シェール革命によるエネルギー事情の激変、住宅市場の底入れなどを考慮すると、アメリカ経済は新たな成長軌道に戻りつつある。そう言えるのじゃないか。ヨーロッパは、なるほど「回復の兆し」というところだ。反対に、中国経済の下降トレンドも明瞭である。既に8月だ。『7月にも中国の金融バブルが崩壊する』と、不安げに囁かれ、上海市場の株価も一時どうなることかと危ぶまれたが、何とか乗り越えた - ま、お国柄ゆえ、いざとなれば強権発動、資産課税による公的資金投入など、あっさりとやってのけるとは思う。寧ろ、中国では経済不安よりも、政治不安が心配のタネであろう。



日本は回復というよりも、最近になって覚醒したのか、刺激を与えられて頭をもたげたのか、本当に日本経済は昏睡状態から意識回復に至ったのか、まだ断言はできない状態だろう。

インド、ブラジル、ロシアは下降トレンドにある。もはや"BRICS"ではないと言われているが、上の図をみると、繁栄も停滞もともに歩む共存共栄、一蓮托生、いまもって"BRICS"であることに変わりはないようだ。

先進国と新興国とのカップリング論、デカップリング論がかつて議論されたが、これからは上下ところを変えた<逆デカップリング論>の正否が試されるだろう。

中国からアメリカに乗る船をかえたいと願っているだろう安倍内閣は、案外、巡り合わせから言うとドンピシャリになるかもしれない。

どうもハッキリしないのは韓国だろう。反日政策強化シフトが目立つが、歴史問題などと大層哲学的な議論をしかけてはいるが、カネにもならない理由で、こうした原理主義的・外交コミットメントに打って出るはずがない。やはり国益追求ゲームの中の最適戦略として見るべきであり、つまりは韓国伝統の親中政策、対北朝鮮政策であろうと憶測されるわけで、それは確かに韓国の国益に寄与するロジカルな根拠を有している、そうも思われたりするのだが、いま現時点の中国と融和的関係を形成するのが、本当に韓国の利益になるのか、時機の選択として正しいのか、素人目には決して分かりやすいとは言えない。


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