2013年7月12日金曜日

米国FRB – 国際通貨体制はいま現在ベストでないことだけは確かだ

米国FRB議長のバーナンキ議長の講演がどんな内容になるのか衆目の関心を集めていたが、次のようであった。
[ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)/ワシントン 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は10日、米インフレ率は依然低水準で、失業率は雇用情勢を誇張している可能性があるため、当面は金融緩和策を継続する、との方針を示した。
経済に悪影響を及ぼすほど金融の状況がひっ迫した場合は、それに対処する姿勢も示した。(出所)ロイター、2013年 07月 11日 06:59 JST
これを受けてNY市場のダウ平均は169.26ドル上昇して15460.92ドルになった。本日の東京市場もこの数日は不安気であったが微騰に転じた。威力抜群のバーナンキ講演なのだ。

しかし、こんなことでいいのか?疑問をもつ人も多かろう。いまは変動相場制なので、第二次大戦末期に行われた戦後の国際金融システムをめぐるケインズ対ホワイト論争は遠い時代の昔話しになってしまった。それでもドル基軸体制に対してケインズがもっていた心理的な懸念はいまの時代にも共有されている―特に中国やロシアにとっては―かのようだ。

China und Russland haben Angst um ihre Devisenreserven


Fed-Chef Bernanke will zunächst an seiner niedrigen Zinspolitik festhalten. Während sich die Märkte freuen, warnen China und Russland vor plötzlichen Veränderungen. Sie wollen eine berechenbare US-Geldpolitik.

WashingtonIn China und Russland wächst die Sorge vor den Folgen eines Ausstiegs der US-Notenbank Federal Reserve (Fed) aus ihrer ultralockeren Geldpolitik für die Weltwirtschaft. Der chinesische Finanzminister Lou Jiwei sagte am Donnerstag in Washington, sein Land unterstütze die Pläne der USA für ein Ende des Anleihenkaufprogamms, sobald es die Umstände zuließen. 
Source: Handelsblatt, 2013,7,11 

市場は歓迎しているようだが、今後突然の方針変更は困る、中ロにとって<予見可能>な形でアメリカの金融政策転換は行われるべきである。ま、そういうことを言っている。事前に日欧などには説明があると思うが―ないとは考えられないので―中・露当局にもFRBの政策方針を事前通知しているのかどうか、田舎で暮らしている小生にはよく分からない。

どちらにしてもケインズ案のように、新・国際通貨の発行、預金、貸し出しを行う国際中央銀行がもし設立されていれば ― 総裁にはアメリカ人が任命されているだろうが、それでも ― アメリカのFRB議長の一言半句がこれほどまで注目されることもなかったろうなあ……と思われる。

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