2013年5月3日金曜日

憲法記念日ー国家権力の制限+基本方針の明文化が憲法だと思うが

憲法記念日である。世間的には今日から4連休。ただ北海道は20年ぶりの冷え込みで桜開花はまた遅れそうである。桜前線が津軽海峡を越えられるのかどうか、GW中は微妙な所だ。

憲法記念日。安倍内閣の改憲方針もあってか、新聞もTVも憲法論議が盛んになってきた。いまNHKで放送している憲法記念日特集『激論”憲法改正”を問う!』を見ながら本稿を書いているが、某政党の出席者が「私は徴兵制には反対です」と力説していた。別に顔面を紅潮させて怒鳴るほどのことではないだろう。当たり前というか、徴兵制復活は兵役の義務を憲法に明示しておかねば実施不可能であり、そんな改憲案など国民投票で通るわけないでしょう。

通るわけはないが、しかし万が一、万万が一、近隣諸国の一国が「日本固有の領土」を強襲して武力占領する事態になったらどうか?そんな事態になったら、戦後体制の日本国民であろうとも徴兵制復活に賛同するかもしれない。そのときに日本国憲法が「国の交戦権」を全て否定していたらどうなるか?憲法に違反する義勇軍が反撃に出て、政府はそれを抑えることができなくなるだろう。余りに現実離れした硬性憲法をもっていることは、かえって日本の国家的ロバストネス(Robustness)を損ねるきっかけになる。簡単に現実が<想定外>になってしまっては無責任国家の誹りを免れない。小生は、別に憲法の専門家ではないが、こう考えているのだな。

朝日新聞の社説にはこうある。
だが、これでは一般の法改正とほぼ同じように発議でき、権力の歯止めの用をなさない。戦争放棄をうたった9条改正以上に、憲法の根本的な性格を一変させるおそれがある。 
私たちが、96条改正に反対するのはそのためである。 
日本と同様、敗戦後に新しい憲法(基本法)をつくったドイツは、59回の改正を重ねた。一方で、触れてはならないと憲法に明記されている条文がある。
「人間の尊厳の不可侵」や「すべての国家権力は国民に由来する」などの原則だ。 
ナチスが合法的に独裁権力を握り、侵略やユダヤ人虐殺につながったことへの反省からだ。(出所)朝日新聞、2013年5月3日

確かに憲法の存在意義は国家権力を拘束する制約条項として機能する点にある。しかし、憲法の存在意義は唯一つだけではない。二つあっても、三つあってもいいわけであろう。重要な事態に対する基本方針をどう定めておくか。あらかじめ明文化するということも憲法の重要な役割である。日常的な事故にも「もらい事故」がある。日本がいくら真に平和を希求しても、他国の軍事力を行使される事態はありうることである。ありうることは想定しておかないといけないのじゃないか?そんな時に、日本は保有する軍事力の上限を定め―その上限はゼロである決め方もあるわけであるーその上限を超える軍事的対応は他の協力国に依存する。これも一案であるし、すべて日本国民の自力で国を守る。そう定めておいてもいいわけである。

憲法第9条が関係する自衛隊、国防軍、日本軍…、呼び名はどうでもよいことだが、いずれにせよ軍事力が役に立つ状況というのは「望ましくはない状況」であるのに違いはなく、そんな望ましくはない事態を回避するのが政治家の第一の仕事である。その意味では、9条というのは大地震が到来した時の行動計画と類似する役割を果たすのであって、文章としては「軍事力はもたない」と書いておいて、実際に軍事紛争になった場合にはその時の自然の成り行き(=義勇兵の蜂起、革命政府の樹立、etc.)に任せるーというか、戦後日本は現に自然の流れにまかせ、自衛隊なる軍事力をもってきたーのも一案であるし、あらかじめ現在の政府の下で軍事力について明文規定をおき、一貫してその規定を守る覚悟を持つ。それも一案である。ただ政府の安定性を考えるとき、やはり国による軍事力の行使について基本方針をあらかじめ書いておくほうがよい。いざとなれば使うつもりの軍事力は、先に原理原則を決めておく方が、政府の信頼性形成には寄与する。そう考えているのだ、な。武力などは決して使わぬ、荒事は真っ平でござんす、平和はカネで買えばよい、「町人国家・日本」を旗印に最後まで行くというなら、それはそれで、一つの生き方じゃあござんせんか。この覚悟も、もしできるなら、立派なものだと小生は思っている。

ま、明らかなことは一つある。国が国権として憲法を変える。<国民主権>が大前提である以上、論理的にこれだけはあってはならないことである。

その意味でいうと「自民党草案」。あれは何ですかね?天皇が国家元首だと書いてある。その国家元首は、神道の崇拝対象であって宮中祭祀をも司る万世一系の血統によるもので、国民が選んだものでも、選ぶものでもない。そんな風にしておいて、なおかつ国民主権だというなら、これは文字通り<偽善>じゃあござんせんか?そうでんしょう。

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