2013年2月17日日曜日

日曜日の話し(2/17)

昨秋、カミさんの実兄が亡くなる前後、カミさんは田舎の実家近くにあるレオパレスに部屋を借り、そこから毎日見舞いに通っていたのだが、にわか独身生活を余儀なくされた小生は、大学に車を走らせる道すがら、幾度も虹をみた。いま暮らしている海辺の町は、とくに季節の変わり目には驟雨に襲われがちで、それが忽ちのうちに止んで晴れ上がる空には虹が出やすいのだ。それは分かっているが、あれほど何度もみたのはその時期だけであるのが不思議だ。何かの知らせというか、暗示なのかなあ・・・そう思ったものである。

虹と人類との付き合いは非常に古い。バイブルにはこうある。
And God spake unto Noah, and to his sons with him, saying, And I, behold, I establish my covenant with you, and with your seed after you; And with every living creature that is with you, of the fowl, of the cattle, and of every beast of the earth with you; from all that go out of the ark, to every beast of the earth.
And I will establish my covenant with you, neither shall all flesh be cut off any more by the waters of a flood; neither shall there any more be a flood to destroy the earth. 
And God said, This is the token of the covenant which I make between me and you and every living creature that is with you, for perpetual generations: I do set my bow in the cloud, and it shall be for a token of a covenant between me and the earth. (Source: Genesis, 9: 8-13)
ノアの大洪水のあと、水がひいて、箱舟から全ての種の動物が出ようとするとき、神が人類と生物たちと交わす契約のしるしとして、空にかかる虹が語られている。

いやあ、誠に壮大な物語であります。

ただ東洋では、虹は竜の化身だと思われていたようであり、瑞兆か凶兆か決まってはおらず、いずれの場合もありうるとされていた。


水彩、F4

ターナーやコンスタブルのように迫力が出ないのは仕方がない。とにかく虹というのは描きにくい。これは確かだ。

ただこうしてみると、虹を描きたかった、その背景として義兄が他界する前後に何度も見た雨上がりの空がある、虹がある、それがどうにも忘れられない。日常はバタバタしていたが、心に残像のように後をひいたそんな思いが絵筆をとらせたのは否めないようだ。「あれを描いておきたい」、そんな気持ちだな。

ちなみにノアの洪水は大地震による巨大津波であるとも、地中海に隕石が落下したための大洪水であるとも想像されているようであり、ノアの洪水自体は事実だろうと憶測されているらしい。また、鎌倉の大仏には大仏殿がなく露座仏になっているのは、明応7年の大地震(ユリウス暦1498年9月11日)で鎌倉周辺全域が大津波に襲われ、大仏殿もその時に倒壊したことが理由だという ― 本当なのかどうか、小生自身、確認したわけではないが。

そろそろ春彼岸が近づいている。いまカミさんは電話で義姉(とはいってもカミさんより年下だが)と話していて、いつ帰ろうかという相談をしている ― 帰るカネは小生のカネなんだがなあ……、いやいや、つまらないことを言うのはやめよう。

0 件のコメント: