2012年7月24日火曜日

昨日投稿の補足 ‐ デフレ停止の一案

物価下落から賃金低下という因果関係ではなく、名目賃金の切り下げによる販売価格引き下げという因果関係に着目するのであれば、<逆・所得政策>が有効だろう。

所得政策は、1970年代に大きな経済問題となった「スタッグフレーション」(=インフレ+失業率上昇)をいかにして終息させるかというときに、一部の経済学者が提唱したものだ。米国ニクソン政権でも試行されたこの政策は、しかし、見事に失敗した。というのは、当時のインフレは世界的な過剰流動性によるもので、賃金上昇はその結果だったからだ。賃金を抑えても、インフレの主因を絶たなければ、インフレは終息しない。逆に、不適切な所得政策が生活不安を招き、企業のインフレ利益を拡大し、アンフェアな経済状況をもたらすだけとなる。

現在の日本で進行しているデフレが、賃金引き下げと企業の安値競争から引き起こされている面が大きいのであれば、所得政策が有効だと考えるのがロジックだ。安値で輸入される海外製品に国内シェアを奪われる懸念もある。しかし、安値に対して安値で対抗しないという日本側の意志が明らかになれば、海外企業も高値で販売する方が得に決まっている。

不当な安値で市場奪取を仕掛けてくれば、公正取引委員会が<ダンピング摘発>を強化すればよい。政府・日銀は、何かと言えば、デフレ解決の妙案はないというが、デフレを停める方法はある。

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