2012年4月18日水曜日

ホームメイド・デフレーション政策をとっていないか?

本日の日経WEBに日銀の政策方針が報道されている。
日銀は2012~13年度の消費者物価見通しを小幅に上方修正する検討に入った。12年度は1月時点の見通しプラス0.1%からゼロ%台前半、13年度はプラス0.5%からゼロ%台後半にそれぞれ引き上げる方向だ。日銀は2月に当面1%の物価上昇率を目指す方針を決めた。物価改善の動きを後押しするため、27日開く金融政策決定会合で追加的な金融緩和策を検討する。(出所:2012/4/18 7:06日本経済新聞 電子版)
消費者物価の安定を目標にするのは、説明がしやすい。

しかし、輸入品の価格が上昇すれば、国内価格を引き下げるように誘導しないと、消費者物価を目標範囲に収めることができない。原油価格、天然ガス価格が急騰すれば、国内品の価格を下落させなければならない。国内価格を引き下げれば、名目賃金も低下するだろう。事実、低下してきた。これはホームメイド・デフレーションである。本当にこのような政策を国民は願っているのだろうか?

ただでさえ輸入品価格が割高になれば、国内品が割安になるということであり、日本人全体の生活水準は実質的に低下するのである。それに加えて、ホームメイド・デフレーションまで発生させなければならないのか?それが最終的に国民の経済安定に寄与するという論拠はなんだろうか?

もし原油価格が急騰のあと急落したら、今度は国内価格を上げなければならない。こんな理屈を納得できる人がいるのか?消費者物価は安定するかもしれないが、こういうマクロ経済運営は、経済安定化政策ではなく、<経済不安定化政策>ではないのか?

現在の消費者物価上昇率目標は、再度、検討した方がよいと思う。物価安定は消費者物価指数ではなく、GDPデフレーターを目安にするべきである。

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