2012年3月2日金曜日

投資不適格判断 ― ギリシア破綻はすでに織り込み

独紙Financial Times Deutschlandではギリシア破綻を予想しつつあるようだ。そのきっかけはS&Pによるギリシア国債評価である。

ヘッドラインは「直近のギリシア引き下げが意味すること」。

Was die jüngste Hellas-Herabstufung bedeutet


ギリシアの第二次財政支援がまとまって、まだ舌の根も乾かないうちに、市場はダメと評価した、そんな論調である。
Den Schuldenschnitt für Griechenland haben die Märkte abgehakt. Dass aber Standard & Poor's den Staat als "teilweise zahlungsunfähig" eingruppiert, ist für Privatinvestoren und Banken des Pleitekandidaten brisant.
先日の財政支援は不十分だという判断である。もう間に合わぬ。
Nun hat es eine Ratingagentur offiziell klargestellt: Griechenland ist zahlungsunfähig. Standard & Poor's (S&P) verpasste Hellas in der Nacht zum Dienstag die Note "Selective Default" (SD). Default bedeutet Zahlungsausfall. Die Einschränkung "selective" - also "teilweise" - beruht darauf, dass der geplante Schuldenschnitt nur einen Teil der Verbindlichkeiten Griechenlands betrifft: Es geht ausschließlich um die Anleihen, die von privaten Gläubigern gehalten werden. Besonders für die griechischen Banken bedeutet das herbe Verluste. (FTD, 28.02.2012, 17:32
それ故、ギリシアは破綻した。S&Pは明確にそう判定した。先日の債務軽減はギリシアが負担する債務の一部分をのみカバーするに過ぎない。ギリシアの銀行は巨額の資産を喪失するに至るだろう。それはギリシアの銀行資本が毀損されることを意味する。金融不安高まりがイタリア、スペインの危機につながる確率は相当程度あると見るべきだろう。

ドイツで<ギリシア死に体報道>が広まれば、第三次財政支援はメルケル首相がいくら頑張っても、国内を通るまい。これでギリシアの破綻はほぼ確実となったのではなかろうか。破綻から回復するにはユーロから脱退するのが効果的、というよりそうしなければ不可能だ。こちらもまた概ね確実だと見る。

あとは南欧地域の経済成長を支援するための<財政トランスファー・システム>をどの国がいつ発案し、ドイツが合意の意を表明するかである。これが現時点の小生の関心事項。それを表明した時点でドイツ株式市場は大きく下げ、フランス、イタリア、スペイン市場が盛り返す。これは何である、な。欧州政界とつながった投資家の間に<インサイダー取引>の好機が到来することを意味する ― 現時点の日本において東電株もそうである。もし政治が信頼を失い、欧州が混迷すれば、それは世界経済にとってはメガ・リスクとなる。

理屈からすれば、そんな道筋が思い浮かぶが、はてさてどうなることか?

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