2012年2月22日水曜日

欧州 — ま、とりあえずの時間稼ぎ戦術

『ギリシア救済』合意については、例えば以下のような論評がある。「やったもの勝ちの国家戦略」という正論をどうどうと大手マスメディアで展開するAmbrose Evans-Pritchard氏が続編のような意見を開陳しているので書き留めておく。本文全体はここにある — ずっと保存されていればいいのだが。最長何年まで閲覧できるのだろう。これもその内調べておこう。まず基本的目線。
Greek elections in April are likely to sweep away the political class tainted by the hated "Memorandum" of the EU-IMF Troika, with the once dominant PASOK party down to 13pc in the latest poll and votes peeling away to the Communists, the Democratic Left, and Syriza.

春の国政選挙でギリシア政界は一変し、全ては元の木阿弥に戻るであろうという見方だ。小生も、ギリシアのユーロ脱退は経済的必然と思っているのだが、それまでの道筋は関係者、関係国の思惑でどうにでも紆余曲折すると見ている。この辺は、出たとこ勝負というか、成り行きまかせ。文字通りのケセラセラだ。一体誰に予測できるであろう。

今回の合意に参画していない野党はこう叫んでいる。

Alexis Tsipras, the Syriza leader, told the Greek parliament on Tuesday that his country was victim of a "terrorist" assault. "This agreement is binding only on those who signed it. The accord carries the signature of a government with no popular legitimacy. It does not bind Greek democracy, or Greek society, or the Left. Very soon the sovereign people will regain their sovereignty," he said.

あとは本文を読めば更に分かるというものだ。結論としてはこうだ。

There have been no bailouts so far, only loan packages. Countries trapped in EMU with overvalued exchange rates and no control over monetary policy face the choice of immense pain or "dignified exits" from the euro, he said.

For now, Europe's leaders are holding to their line that Greece is a special case, refusing to acknowledge that the EMU drama is at root a North-South trade crisis, compounded by contractionary polices that have tipped Club Med back into recession and made the task that much harder. It may take more than Greece to force epiphany. (Source: The  Telegraph, 9:13PM GMT 21 Feb 2012)
これまで、債務帳消し(=破産容認)ではなく追い貸しで絞ろうという対応ばかりしてきた点を批判している。ドイツは国内の労働市場を南欧の国民に同一の制度の下で完全開放し、それと同時にギリシアなど南欧地域の経済開発に積極的にコミットする責務を負う。南欧、東欧地域を収益性原理に基づく投資対象としてのみ見ることは許されまい。それを為さずして、競争力のあるドイツ製品を有利な条件の下で域内に輸出して稼ぐだけ稼ぐのでは、いずれユーロ圏ひいてはEU自体が崩壊するのは経済的必然である。ギリシアやスペインがドイツと最後までつきあう義務はないのである。本来ならばユーロ安ではなく、マルク高になって当たり前の状況なのだから。

しかし、あれですな。ああいう体たらくの欧州に安定基金拠出金協力を求められても、無責任に使ってしまうだけであり、はたまた域内保護には変化なく、何のメリットもないかもしれないなあ。そう思う昨今である。

0 件のコメント: