2011年4月1日金曜日

復興の経過覚え書き(その2)

ツイッターでつぶやいたり色々と書き残しているが、ツイッターは日記の代わりには難しいということが段々分かってきた。最初に思いついたことから、その後に考えが及んだことまで含めて、今日現在で整理しておきたい。


  1. 大震災復興総合計画ができるのではないか: これは既に始まっている。復興庁なるものが出来るかどうかは(ほぼ実現するだろうが)不確定だが。
  2. 日本のエネルギー計画は根本的な曲がり角を迎える: これも管首相が昨日サルコジ大統領を迎えて記者会見でも表明した。原発のゼロベース見直しは避けられない。
  3. 国土利用計画も並行して根本的な曲がり角を迎える: まだ俎上には上がっていないが、エネルギー計画を見直す以上、首都圏、近畿圏など各地域のエネルギー需給バランスの前提が崩れる。見直し不可避。方向としては1980年代末のバブル景気以前まで主流だった考え方<定住圏構想>が復活すると予想している。
  4. 経済産業省から原発管理行政を分離する: これも菅首相が既に表明している。銀行経営破綻で大蔵省から金融庁が分離したのと同じ論理だ。ただしエネルギー計画見直しをどこが主務官庁として取り組むことになるか、これはまだ分からない。復興庁ではない。
  5. 東京電力国有化: 債務超過になると予想する。国有化という手段に限定はされず、先日のアドバルーン後に早くも迷走し始めている模様だが、どちらにしても現行の株式会社組織は資金的に滅亡したと判断するべきだ。近日うちに政府は基本方針を公表する状況に追い込まれると予想しておく。
  6. 原子力発電の全国統合化、(多分)公的企業とする: リスクに対応するために必要な保険料コストを計上すると(発電規模にもよるが)原発事業は民間企業になじまない可能性が高い。新エネルギー計画で検討されることは必至。まだ議論は表面化していない。
  7. 原発事業にともなう保証債務発生リスクと保険制度の見直し: これは国内に既にあるが拡充が不可避。ただ原発事業統合の行方とも関係する。
  8. 原発保険制度を金融パニックを回避する国際通貨基金制度と類似の制度としてセットアップ: 必要になる。その場合、原子力利用の知識集積状況からフランス、US、ロシア、保険ビジネス技術からUK、USの人材が集められ、日本はお呼びではないだろう。最多の原発新設候補国(ならびに最大リスク国?)として中国が入れば、現国連安全保障理事会常任理事国と同じ構成になる。

方向はこういうものだと予想しているが、懸念されるリスクもある。


  1. 政治リスク: 改めて説明の必要なし。
  2. 国債暴落リスク: 震災復興国債の(直接的)日銀引き受けを強引にやるならば突然の国債価格暴落、銀行による米債売却、市場閉鎖、預金封鎖への展開が最悪の可能性として指摘できる。念頭においておくべきだ(確率は大きくはないと思うが)
  3. 首都圏から各地域圏への移動停滞: 経済資源の地域移動が様々の理由から停滞すると首都圏の不安定なエネルギー供給により国内のビジネスが競争力を(決定的に)失う。そのためにも地域発展計画を並行して作りフォーカスポイントを明示しておくことが大事だ。
  4. 霞ヶ関の規制本能: 建設資材価格モニター強化などが既に報道されているが、供給を増やすためには利益が増えるように価格が調整されることを認めないと問題が解決されない。「こちらの足元をみるようなビジネスは嫌だ」と言っている場合ではないと思う。古くはナポレオン最後のワーテルローの戦いで、緒戦にプロシアが敗走して暴落した穀物(だったはずだが)を買い占め、その後ロイター通信から連合軍勝利の電文が届き、暴騰した市場で穀物を売りさばき、巨額の利益をあげたロスチャイルドを思い起こすべきだと思う。その時の利益はその後の社会の発展に大いに活用された。モラルではなく、実利で復興を進めていくのが、結局は何十万人という被災者の苦境を救う早道である。


今日は大体こんなところだ。まだ「その2」か。何回この覚え書きを書くことになるのかなあ。

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